股関節の痛み
『股関節の痛みや不調が起こる意外な原因』
― 睡眠不足・神経疲れ・顎関節症・更年期が要因 ―
40代、50代の女性に多い、「変形性股関節症」(へんけいせいこかんせつしょう)この症状には意外な原因が潜んでいる場合があります。
整形外科的には、レントゲン、MRIを撮って、骨に異常があるかないかだけを診ておりますが、実は、股関節痛が起こりやすい原因として、
@「膵臓すいぞう(内臓)の機能低下」
A「婦人科系の問題」
B「顎関節症」
の隠れた要因が潜んでいる場合があるのです。
そして、その関連筋が「股関節」に二次的に負担がかかる影響で、股関節痛が急に起きたり、徐々に起きたり、変形性股関節症、加齢性股関節症に進んでいくというケースが実際にあるのです。
@膵臓と股関節痛の意外な関係
特に、膵臓の機能低下は、「糖尿病」だけではなく、「睡眠不足」や「極度の神経疲れや疲労の積み重ね」の結果、急性症状として起きてくることがあります。この場合、膵臓(すいぞう)の関連筋は背中から骨盤の上に付着する 「広背筋(こうはいきん)」となるため、歩行時に動く骨盤の前後の動きに少し制限がかかってくることがあります。
骨盤の前後の動きが悪くなると、間にある「仙腸関節」の動きが止まってしまうため、骨盤には「カテゴリーU」という骨盤と仙腸関節の間に痛みをつくる要因が出来上がってしまいます。
これが、腰痛や股関節痛を引き起こす原因となってくるのです。
(カテゴリーT)捻挫したとき等に起こりやすく、歩行時に行われる骨盤の前後の動きがスムーズに出来ずに、仙骨が捻じれた状態で止まってしまう状態を指します。
(カテゴリーU)歩行時に行われる骨盤の前後の動きに対し仙骨が動かずに止まってしまっている状態を指します。
(カテゴリーV)通常では起こりえない動きをし、骨盤と仙骨の動きが正常の反対の動きをしてしまう状態のことを指します。
腰痛や股関節痛などの場合、主に、この3つの異常を起こすケースが圧倒的に多いのです。
膵臓(すいぞう)の機能低下により、関連筋の広背筋の筋力低下が起きますと、歩行時に骨盤と仙腸関節の動きが止まりやすくなる結果、臀部(でんぶ)にある足を横に開く筋肉「梨状筋(りじょうきん)」にも負担がかかり太もも裏側に走る「坐骨神経痛」が起こりやすくなってしまうのです。
A婦人科系と股関節痛の意外な関係
また、40代、50代の女性に多い理由として、【閉経前後】⇒【エストロゲンの低下】⇒(血糖値の不安定さ)⇒【副腎・膵臓機能低下】⇒(関連筋・ホルモンバランスの不安定さ)⇒【股関節痛】や【更年期】へと進みやすくなっていきます。
このように内臓の機能低下が引き金になっているケースも少なくありません。
B顎関節症(がくかんせつしょう)と股関節痛(こかんせつつう)の意外な関係
顎関節症状の場合、身体的なバイオメカニクスの仕組みとして、【顎関節症】⇒(胸鎖乳突筋)⇒(同側側の)【股関節痛】⇒【骨盤底筋】⇒【足の土踏まず】という具合に影響を与えていく事が実際にあります。
そのほか、先天性股関節症や外傷の怪我等による股関節痛の患者様の場合、もともと股関節に負担がかかる状態になってしまっております。この場合、それ以上症状が進んでいかないように早めに定期的にケアをしていく事により、将来的に予想される手術を防ぐことが出来るようになります。
股関節に違和感が出始めましたら、症状がこじれない軽いうちに、早めに当院にて、内臓の検査と実際の股関節の治療をして安定させていくと良いかと思います。